事業・プロジェクト紹介

社会調査関連事業

「日本人の国民性調査」のデータ整備と公開

プロジェクトの概要と想定される成果・目標

統計数理研究所が1953年以来5年に一度実施してきた継続社会調査「日本人の国民性調査」のデータを継承し、付帯的な情報を整理しながら、広く国内外で共同利用のためのデータとして整理し、共同研究の形で研究者の利用に供することを目指しています。
この調査は、同じ調査方法、同じ調査項目で調査を繰り返す継続社会調査として1953年から5年に1度実施され、戦後の日本社会・日本人のものの見方や考え方と捉えてきました。このデータのオープン化を進めることで、広く戦後の日本社会の動きを理解する資料として活用されることが期待されます。

プロジェクトの背景

DS施設と同じ情報・システム研究機構に属する統計数理研究所は、第二次大戦後間もない時期から統計的な社会調査法の研究を行ってきました。この中で、日本人の国民性調査は、「国民性の理解」「統計的調査法の研究」「調査データの統計的解析法の研究」という3つの目的を持って、1953年以来継続して実施されてきました。図は、その継続調査項目の一例で、長期にわたる人の意識の変化を捉えています。

#4.10 “他人の子どもを養子にするか”という質問の回答の時代変化
Q. 子供がないときは、たとえ血のつながりがない他人の子供でも、養子にもらって家をつがせた方がよいと思いますか、それとも、つがせる必要はないと思いますか?

1.つがせる  2.つがせない 3.場合による 4.その他 5.D.K.(わからない)

この調査は、このように60年以上にもわたる日本人の意見・価値観の変化を捉えてきており、戦後日本社会の変化を研究するための好個の素材を提供するものと期待されています。

プロジェクトでの研究・開発内容

長期にわたって実施されてきた調査です。1953年から5年に1度の全国調査を行い、最新の2018年には第14次全国調査を統計数理研究所が主体となって行いました。社会データ構造化センターでは継続データの管理を担当し、二次分析のための公開データ化に向けて準備を進めています。古い歴史を持つ調査であるために、さまざまな資料が散逸しがちであり、調査実施当時の付帯的な情報も含めた整備が必要となります。次のような情報の整備を進めながら、共同研究の形での共同利用を開始しています。

  • 調査のコード表の再整備
  • 各回の標本設計と・調査実施状況等のさまざまな付帯情報
  • 調査項目の来歴等を含む入れ替わり等の履歴情報